2012年8月7日火曜日

イタリア旅行報告(6)

6.訪れた場所


今回訪れた場所を地図で表すとざっとこんな感じ。
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道順はこの通りではなく、実際には宿泊地と各訪問地を行ったり来たりしてた。
地図上のA〜Bの区間だけが電車で、他はレンタカー。

今回の訪問先(宿泊施設については既に書いたので省略)について以下、お薦めポイントなどを紹介。

A. ヴェネツィア


ベビーカーで行くと大変。子供が自分で歩けない場合はベビービョルンやエルゴベビーのようなベビーキャリーを装着することを強くお勧めしたい。あと、荷物は背中のリュックに。とにかく、階段(橋)が多いので、ベビーカーは荷物以外の何ものでもないし、水上バスに乗ったりする際には手ぶらが快適。


B. ローマ


やっぱ、ちっちゃな子供のハートを掴むにはコロッセオみたいなわかりやすいものが一番。


C. カステル・ロマーノ(アウトレット・モール)


ローマ郊外のアウトレット。僕自身はこういうのにこれっぽっちも興味がないんだけど、奥様のためにどうぞ。ディーゼルのジーンズが数千円。とか。


D. ナルニ


古い名前でナルニアという。映画を見たことも本で読んだこともないけど有名な「ナルニア国物語」の世界観を形成しているんだとかなんとか。
4月の終わりから5月にかけての週末(3週末?)に中世祭りが開かれて、このお祭り期間内だけ開かれるレストランがあったりする。そういうお祭りレストランは、地元の青年団とかが中世の衣装を身にまとって運営していたりするんだけど、中世風の雰囲気で(中世の飾らない建物に古い木のテーブルと長椅子を持ち込んだだけなので当たり前)実にいい感じ。塩やハーブの他には特に何も載っていないプレーンな釜焼きピザ(ピッツァ・ビアンコって言ってた)がこれまたおいしかったりして。この時期に行くならぜひ週末に!


E. スポレト


この街の郊外にローマ時代の水道橋があって、歩いて渡ることができる。他の有名なローマ水道の遺跡と比べてどれぐらいすごいのかはわからないけれど、まあ、とにかくその谷間に長い脚を延ばす巨大建造物には驚いた。校外学習の小学生の集団(と先生と一部生徒の保護者?)がいた。日本人(というかアジア人)のしかも乳幼児連れなどをあまり見たことがないのだろうなという(好意的な)反応。


F. モンテファルコ


La Strada Del Sagrantinoと呼ばれる、ぶどう畑やオリーブ畑の続くのどかな丘陵エリアの中の町(村?)のひとつ。こういう小さな町にたどり着くまでの道をドライブするのが楽しいし、丘の上にある町の外壁のあたりから眺める景色もまた素晴らしい。


G. ストロンコーネ


ここのレストランが素晴らしかった。昼は行っていないので詳細不明ながらも素敵な雰囲気の小さな城塞都市。


H. ノルチャ


イタリア語では、肉屋さんのことをnorcino、その店舗(加工肉店)のことをnorcineriaという。その語源がこの町Norcia。プロシュートやサラミといった各種加工肉や黒トリュフなどグルメな食材の産地として知られる場所。ただし、僕が訪れたシーズン(4月末)はトリュフの季節ではなかったので、残念ながらトリュフ料理は食べられず。
ノルチャは他のウンブリアの町からちょっと遠いんだけど、Valnerinaと呼ばれるNera川流域の渓谷エリアを抜けていくルートがこれまた素晴らしいドライブになると思う。ただし、スピード違反の取り締まりには注意。


I. マルモレの滝


ヨーロッパで最高の高さを誇ると言われる滝。3段に分かれているんだけど。
そもそもこの滝は、ローマ人(古代ローマの人々)が既存の川の水を灌漑用として利用するために、川の流れを変えて、しかも、水門を作った、という起源をもつそうで。
今でも、朝の特定の時間に水門が開かれて滝から水が溢れ出て、午後の特定の時間に水門が閉じられて滝からの水は止まる。らしい。僕らが見たのは止まるタイミングだったんだけど、さすがに一瞬では止まらないものらしく、じわじわと水量が減っているかな、という感じだった。たぶん、これは開門を見る方が楽しいだろうと思う。
どうでもいいけど、校外学習かなんかの小学生や中学生たちが大勢いて、うちの下の子がかわいいかわいいと大人気だった。


J. カスティッリョーネ・ドルチャ


オルチャ渓谷の主要な町のひとつ。この町へのアプローチや、高台からの眺めは実に素晴らしい。町自体は小さく、わざわざ観光で訪れる人がどれほどいるのかは不明ながらも、魅力的なレストランがいくつかあった。我々はこの町の外れのアグリツーリズモに泊まったので、何度かこの町に足を運んだ。
これまたどうでもいいけど、ここのレストランで日本語がペラペラのイタリア人観光客と遭遇した。子供や旦那さんは日本語に馴染みはないようだったけど、乾杯は二人して「カンパーイ」って言ってた。


K. モンタルチーノ


言わずもがな、かの有名なワイン「ブルネッロ」の産地。そのワインがゆえに観光地としても賑わっていた。
アプローチするときは問題ないとして、帰り道、地図を見ないで適当に城壁の外へ向かって走り出したら、何やら舗装もされていない細い道に入り込んでしまって…。ま、迷ったら人に聞けばいいんだし、そもそもあてになるような地図が手元にないんだからしかたがない。しかも地図を読めるのは家族で僕だけだし。教訓としては、クルマで走り出す前に、どうやって目指すべき幹線道路までたどり着くべきなのかを地元の人に訪ねるべき。


L. シエナ


細い道が入り組んで、アップダウンがありまくり、という古い(そしてそこそこ大きい)町は、散歩が楽しい。町の真ん中には有名なカンポ広場が開けていて、細い道を通り抜けてそこにたどり着いた時には、なんというか、パッと心が晴れ渡るような気分だったな。実際は、雨だったんだけど。
今回は残念ながら見送ったけど、マンジャの塔に本当は登ってみたかった。


M. サンジミニャーノ


これまた有名な丘陵都市。古い塔がたくさん立っている。これまた今回は残念ながら見送ったけど塔に登ってみたかった。

N. アシャーノ


特に目的地というわけでもなかったんだけど、ロンプラのオススメドライブルート(の一部)を走った時にこの町に立ち寄ってジェラートを食べた。たしかにこの辺りの道はとても気持ちいい。が、ひたすらワインディングが続くためにクルマに酔いやすい人が気持ち悪くなってたのには胸が痛んだ。


O. ピエンツァ


ここもまた丘の上に立つ美しい町。珍しく日本人観光客(新婚旅行かな?)を見かけた。ビデオカメラに向かって、自分たちは「憧れのピエンツァ」に来ている、とか言っていたけど、ピエンツァがそんなに知名度のある町だとは知らなかった。
この町はローマ法王ピウス2世(ルネサンスぐらいの人かな?)の故郷で、彼が自分好みの町にするために気合いを入れて都市計画を立てて再開発をしたとか、そんな話。確かに、町並みが美しいし、町の南のテラスから城壁の見下ろす景色は実に素晴らしかった。雨が降ってきて、傘も持ってなかったから、じっくりとは眺めていられなかったけど。


P. リヴォルノ


港町。魚介類をどっさり盛り込んだカッチュッコという名物料理が食べたくてこの町を訪れたものの、残念ながらこの料理が食べられる曜日ってのが決まっているそうで、食べられなかった。イタリアって、地方によって、こんな感じで特定の曜日にしか食べないものってのがあるみたいだ。ローマではニョッキは金曜日(←うろ覚え)だけ、とか。


Q. ルッカ


町を取り囲む分厚い城壁の上は土手みたいになってて、散歩したりするのに気持ちがいい。このがっちりと壁に囲まれた町ってのが、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を思い起こさせる。
ここは、古い町ではあるものの近代化されてもいて、町の規模は大きい。旧市街の真ん中あたりには、たとえばパン屋だってたくさんあるし、レストランもいろいろな規模のものがあり、様々な暮らしのニーズに応えてくれるはず。
城壁の外の新市街の中にあるスーパーマーケット(大きいのが何件かあるようだ)で、アルファロメオ用のワイパーブレードと替えゴムを購入した。日本で買おうとすると正規ディーラー価格でむちゃくちゃ高い(ぴったり同じサイズを使っている国産車がないから)。けど、こっちだと、数百円。ていうか、スーパーで売ってるってのが驚き。


R. ピサ


やはり斜塔は子供受けがいい。しかし、実に残念なことに幼児は斜塔に登らせてもらえない。…というか、後で気付いたんだけど、年齢を詐称すればよかったな。


S. チンクェ・テッレ


切り立った崖にへばりつくように、小さな集落が5つ。それがCinque Terre(「5つの土地」)。パステルカラーの家々が、ここが昔ながらの海辺の町であることを雄弁に物語っている(沖に出た漁船の上からでも自宅がすぐに識別できるように、各家がそれぞれ分かりやすい色で外壁を塗ったという)。
建物と建物の隙間を縫う細い歩道(大部分は急な階段)を登ったり降りたりするのは疲れるけど楽しい。階段や壁に、"→Mare(海)"とか"→Paese(村)"とか手書きのペンキで書いてあるのがのどかでいい。
集落から集落をつなぐ鉄道路線があるし、遊歩道もある。特に一番東のRiomaggioreと二番目のManarolaとの間の遊歩道は整備が行き届いていて歩きやすい。「愛の小道」とか名付けられているんだそうで。


T. ヴィンチ


レオナルド・ダ・ヴィンチの出身の村。というか、レオナルド・ダ・ヴィンチっていう名前は日本語にすると「ヴィンチ(村)のレオナルド」なんだけど。
ミュージアムはなかなか見応えがあるものの、未就学児にはちょっと難しいかな。


U. フィレンツェ


やはり、フィレンツェといえばドゥオモ(大聖堂)。しかし、幼児連れでのオススメは、大聖堂そのものではなくて、その隣の鐘楼。414段の階段、85mの高さ。この塔からはフィレンツェの町はもちろん、すぐ隣のドゥオモのドームの全体像をごく近いところから、しかも似たような高さの目線から眺めることができるので、こちらのほうがもしかしたら深く印象に残るかもしれない。途中何カ所か見晴らしのよい場所での休憩も可能だし、一番上まで行かないとしてもそれなりに満足度が得られる。
あと、サンタクローチェ教会。これ、3度目のフィレンツェにして初めて訪れた(中には入らなかった)んだけど、この建築物にクラクラッと来てしまう人がいるというのもうなずける。美しいファサード。



つづく

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